丸山歯科医院ブログ

これってヘルパンギーナ?その症状と見分け方

小さなお子様は急に高熱が出て、親御さんを驚かせることがありますよね。
特に、夏の時期に流行するのが「ヘルパンギーナ」です。でも、初めてお子様にヘルパンギーナの症状がでても、「これってヘルパンギーナ？本当はどんな症状なの？」と判断に悩んでしまうことも…。

ここでは、ヘルパンギーナの症状と、その見分け方を説明します。

ヘルパンギーナは代表的な「夏風邪」の一種です

ヘルパンギーナは、4歳以下のお子様が発症することが多い、夏風邪の代表ともいえる病気です。

エンテロウイルス、コクサッキーウイルスによる感染症で、稀に大人にも感染することがあるので、「大人は伝染らないから大丈夫」などと、気をぬいてはいけません。

ヘルパンギーナの症状の特徴的なものとしては「高熱がでる」「口の粘膜に水疱ができる」というものがあります。水疱ができる場所は、口の中の、特に喉の奥あたりです。水疱の大きさは、直径2～3mm程度の小さなもので、喉の痛みや倦怠感を伴います。

喉が痛むので水分の摂取がし辛くなるのですが、お子様が痛いから飲みたくない、と嫌がっても、水分補給は怠らないようにしましょう。高熱が出ているので、脱水症状が起こることがよくあるのです。

症状が似ている!?ヘルペス性口内炎との見分け方

ヘルパンギーナに症状が似ている病気に、「ヘルペス性口内炎」があります。乳幼児がよく発症するヘルペス性口内炎は、口内の皮膚や唇・舌が腫れて発熱して激しい痛みを伴います。

ヘルペス性口内炎は重症になりやすいので、早期に正しい治療を行う必要があります。ヘルペス性口内炎とヘルパンギーナは症状が似ているので、素人が浅はかに見分けたり診断しようとする行為は危険です。お子様に疑わしい症状がみられる場合は、必ず小児科を受診し、医師に診察してもらうようにしましょう。

ヘルパンギーナには特効薬がありません

ヘルパンギーナと症状が似ているヘルペス性口内炎は、特効薬があります。そのため投薬での治療を行えますが、ヘルパンギーナの場合は、原因菌に効果がある薬が現在まだ存在しないため、水疱や発熱などの症状を和らげることを目的とした対症療法を行うしかありません。

発熱や頭痛に対しては、鎮痛解熱剤の成分であるアセトアミノフェンなどを用いることもあります。場合によっては、脱水症状の対策も必要になります。発熱・頭痛・嘔吐の3つの特徴的な症状が見られる場合は、無菌性髄膜炎といった合併症を起こしている可能性もあり、入院治療が必要になります。

ヘルパンギーナの効果的な対症方法とは？

ヘルパンギーナの症状である口内の水疱を早く治すためには、マスクを着用し、定期的にうがいや手洗いを行い、口の中を清潔に保つように努めます。

うがいの際は、イソジンなどのうがい薬は染みるので、あまりおすすめできません。小さいお子様の場合は、喉が痛いせいもあって、うまくうがいできないことが多いでしょう。

そういう時は、オーガニック抗菌成分が配合された食べられる歯磨き粉がおすすめです。万が一、飲み込んでしまってもオーガニック成分のため安心です。粘膜にできた水疱の治癒が早くなるでしょう。

また、喉の奥に水疱ができて痛みを伴うことにより、飲物や食事を摂りにくくなる傾向にあるため、水分補給や栄養管理には十分注意しましょう。脱水症状など、命を危険に晒しかねない疾患を引き起こす恐れがあります。安静にしていると、夏風邪と同様に、通常は1週間程度で回復する病気です。

うがい・手洗いを励行して口の中を清潔に

ヘルパンギーナは回復しても、長期に渡りウイルスが排便に含まれていることがあります。ですが、現状では学校保健法では明確に予防するべき伝染病とは規定されていません。

インフルエンザなどは、流行防止のために登校登園停止を実施しますが、ヘルパンギーナには、こうした予防効果は期待できません。

各自それぞれが、流行の阻止や予防のために、注力するほかありません。普段から、口内を清潔に保つように、うがいや手洗いを励行するようにしてください。

まとめ

高熱が出て、喉の奥に水疱ができていたら、ヘルパンギーナかヘルペス性口内炎の恐れがあります。重症化することもあるので素人判断は危険。単なる夏風邪とタカをくくらず、病院で診察してもらいましょう。