丸山歯科医院ブログ
丸山歯科医院は初診時に丁寧にお話を伺い、検査・診断した上で治療を開始致します。
歯周病になりやすい体質は存在するの?遺伝する?
歯周病は、歯と歯茎の間の溝に歯垢(細菌と代謝物の塊)が溜まって炎症を起こす病気です。ひどくなると歯を支える土台の骨が溶けて歯が動くようになり、抜けてしまいます。
誰しも歯周病にはなりたくないと思うのではないでしょうか。「どういう場合だと歯周病になりやすいか?」を知っておくことで、歯周病予防になるかもしれません。見ていきましょう!
歯周病そのものは遺伝しません!
歯周病の特殊なものとして「若年性歯周炎」があります。
歯周病は免疫力が低下している人ほど感染しやすいので、たいていは40歳前後から症状があらわれることが多いです。しかし、この病気は健康な若者(永久歯が生え揃ったぐらい年頃)に、歯周炎があらわれ急に悪化します。この「若年性歯周炎」には遺伝的な要因があるといわれますが、それは、歯の組織の抵抗力や免疫力などが遺伝して、歯周病にかかりやすい方ということです。また、特に親が歯周病菌保有者だと子供に菌がうつるのも発症するのも早いといわれています。
歯周病にかかりやすい遺伝子、かかりにくい遺伝子があるという研究は進められているところです。
歯周病はどんな人がなりやすいの?
口呼吸する人は、細菌の繁殖を抑制する唾液の減少を引き起こしてしまいます。すると、細菌が口内に繁殖しやすく、歯周病の原因の歯垢も溜まりやすいというわけです。歯茎が前に出ている人も同じです。前歯の歯茎が乾燥しやすくなり歯周病になりやすいです。噛み合わせが悪い人や歯ぎしりする人は、一部の歯に不自然な強い力が加わり、歯を磨耗させ、歯を支えている骨が溶けて歯周病の症状を悪化させます。
男女で比べるならば、女性の方が性周期によるホルモンの多量分泌の影響で、歯肉の炎症を進行させやすくします。特に妊娠中の女性は、ツワリなどで口腔内を清潔に保ちにくい要因があります。更年期、閉経後の女性にも、歯肉の表面の皮がはがれ落ちてしまうことが原因で、歯肉の炎症が起こる人は多いです。
免疫力が低い年配の方、病気がちの方は男女問わず要注意です。
生活習慣から起こりえる歯周病
免疫力が低下すると、歯周病の感染リスクが高くなります。睡眠不足や栄養不足、運動不足など、不規則な生活は免疫力を低下させます。ストレスを溜めるのも良くありません。糖分を多く含む食べ物や、粘着性のある食べ物を好む人は、歯垢を作りやすく歯周病になりやすいでしょう。さらに喫煙する人は、喫煙により血行が悪くなることで免疫力低下につながり、喫煙しない人よりも歯周病にかかりやすいといわれています。また、タバコを吸っていると歯肉の腫れや出血が抑えられているように見えるので、症状に気づかずに症状が悪化することもあるようです。飲酒の習慣も、お酒自体が歯周病を悪化させるわけではありませんが、飲酒後の歯磨きを忘れて寝過ごしたり歯磨きをするまでに時間がかかったりすることが原因となり、歯周病を進行させることもあるそうです。
他の病気から歯周病になることがあるの?
遺伝性の病気や血液の病気(白血病など)、皮膚の病気などから、歯肉を含む歯の周囲組織に症状があらわれることがあります。また、肥満や糖尿病によって歯周病が悪化しやすくなります。
口の中で発生した細菌は、歯肉の毛細血管から大きな血管へ流れ込み、心臓に送られ、やがて全身に循環されることになります。このため、重い歯周病にかかると糖尿病だけでなく、早産、肺炎、心筋梗塞、動脈硬化など、大病を引き起こす可能性も高まるのです。
まとめ
歯周病にかかりやすくなる要因は色々ありますが、たいていの人は歯周病を予防できます。日々の歯磨きと生活習慣の改善で歯垢を防ぎ、定期的に歯科検診で歯石を除去して歯周病を予防しましょう!
投稿日:2017年4月20日 カテゴリー:歯周病, 診療一般