丸山歯科医院ブログ
丸山歯科医院は初診時に丁寧にお話を伺い、検査・診断した上で治療を開始致します。
怖い歯周病。カワイイ赤ちゃんにもうつる?
歯周病をご存知でしょうか?歯肉に炎症が引き起こされ、放っておくと膿が出たり、口臭がひどくなり、最後には歯が抜け落ちてしまう怖い病気です。元に戻すことはできません。
歯周病菌は人から人へ接触感染していく厄介なもので、小さな赤ちゃんがいるお母さんにとっては、心配のタネの一つです。「赤ちゃんも歯周病になったりするの?」という不安にお答えしたいと思います。
歯周病の菌は、乳歯でも感染します。
早ければ、乳歯が生え始める生後6ヶ月頃から歯周病菌に感染します。
歯と歯茎の間に細菌が住み着き繁殖するからです。歯と歯茎の間に細菌と代謝物の塊が付着したものを歯垢(プラーク)といいます。歯肉より上側の歯の表面についている歯垢の中の細菌は好気性菌といわれ、虫歯菌がそれにあたります。反対に歯周病菌は嫌気性菌で、空気の触れない歯肉と歯茎の奥深くの中で繁殖します。子供の口の中は細菌が少ないので、特に感染が広がりやすいと考えられています。虫歯菌は感染しても歯磨きなどで除去できますが、歯周病菌は感染すると歯磨きでも完全除去は難しいといわれます。もし、両親共に歯周病にかかっていたり、歯周病菌を持っていたりすると、その子供が歯周病菌に感染する可能性は高くなります。口移しの食事やスプーン等の共用や、キスなどのスキンシップが要因となり、赤ちゃん期にうつることはあります。特に、ちょうど歯が生えそろう生後19ヶ月前後が一番感染しやすいです。歯周病のリスクを高める遺伝的要素がある場合は、特に注意が必要です。
カワイイ赤ちゃんの歯周病を防ぐには。
歯周病菌を増やさない、うつさないが理想なのですが、親子のスキンシップは赤ちゃんの情緒教育のために必要です。歯周病菌の感染を恐れて親子のふれあいを控えるというのも寂しいものです。まずは少しの工夫でできる歯周病予防を実践してみましょう。家族の食器具を使い分けることや食べ物の口移しを控えることなどは気をつけてください。糖分を摂りすぎると歯垢(プラーク)が増えて歯周病のリスクが高くなるので、糖分の多い離乳食は避けましょう。また、離乳食の後や寝る前やキスをした後は、お子さんの歯磨きをしっかり行いましょう。スキンシップもハグなら遠慮することはありません。歯周病の遺伝的要素がなければ、これらの努力で赤ちゃん期の歯周病感染のリスクは防ぐことができます。歯周病の菌が赤ちゃんにうつっても、すぐに発症することはありません。感染しても、親子共々、口内環境を清潔に保てば、悪化を遅らせることは可能です。
赤ちゃんと口腔ケアを楽しみましょう。
清潔な口内環境が一番の歯周病予防なのですが、赤ちゃんのうちは歯磨きをイヤがる子もいます。赤ちゃんは口が敏感なので、刺激が強いのかもしれませんね。歯が生え始めたら、指に巻いたガーゼや綿棒で歯を掃除しましょう。赤ちゃんを仰向けに寝かせ、頭を保護者のひざの上にのせる態勢が、口内の様子もよく見えてベストです。離乳食も始まって、親子での口腔ケアに慣れてきたら、離乳食の後、乳児用の歯ブラシでちょんちょんと歯に触れてみましょう。
徐々に歯ブラシに慣れてきたら、やわらかい小さめの歯ブラシに変えます。赤ちゃんが1歳頃まで歯ブラシに慣れているのが理想的です。寝る前にも大人が仕上げ磨きをしてください。うがいができないうちは、歯ブラシを水ですすぎながら磨いてあげてください。親がぶくぶくうがいのお手本を見せて、少しずつ真似させてみましょう。うがいが上手になれば、フッ素入りの歯磨きジェルを使ってみてください。歯磨き粉を嫌がるようなら無理に使わなくても良いです。デンタルフロスや歯間ブラシもできそうなら取り入れてみてください。「親子楽しく」をモットーに続けていきましょう!
まとめ
しかし、歯周病菌対策となると家でのケアだけでは行き届かないのも事実です。カワイイ赤ちゃんのためにも、歯が生え始めたら早めに歯科を受診して、歯医者さんから正しい口腔ケアを学ぶこともオススメいたします。
投稿日:2017年4月13日 カテゴリー:歯周病, 診療一般