丸山歯科医院ブログ

歯が折れた!自分でやるべき応急処置

転倒した時や事故によって、歯が欠けたり折れたりしてしまうことがあります。歯が折れたことに驚いて、パニックに陥ってしまいがちですが、まずは落ち着きましょう。折れてすぐなら、まだ歯を元の状態に戻せるかもしれません。取り返しのつかないことになってしまう前に、冷静に行動できるよう対処法を覚えておきましょう。

まずは歯の破片を乾燥させないように保存

歯が折れたら、まずは折れてしまった歯の破片を拾い集めましょう。折れた破片の状態にも寄りますが、元の状態に戻せることもあります。

折れた歯のかけらの保存の方法で最も良いのは、自分の歯の元の位置に戻すことです。地面に落ちた場合は、水洗いしてから元に戻します。

ただし、元に戻しても、しっかり固定されていない状態で放置しないようにしましょう。誤って飲み込んでしまうことがあります。元に戻すことが難しそうなら無理はせず、ケースに入れて、できるだけ早く歯科医院に持っていくようにします。折れた歯は、ラップやガーゼで包んだ上で、乾燥させないように気をつけましょう。

歯の折れ方によって異なる修復法

歯の折れ方には、いろいろな傾向があります。折れる部位によって、後の対処法が異なってきます。 まずは、歯の上の方が折れている「歯冠破折」という折れ方です。

これは見た目で「折れている」ということがたいへん解りやすく、最も多い折れ方です。 折れた部分がわずかの場合は、欠けた部分にできた尖った場所を少し削って丸めて形を整えます。 大きめの歯冠破折の場合は、不足している部分を歯と同系色の樹脂であるコンポジット・レジンで補足して、元のように修復することも可能です。 大きく折れてしまい、歯の欠片が残っていない場合は、人工の歯を被せて治療します。

根から折れた歯は牛乳に浸して乾燥防止

その次に「歯根破折」という折れ方があります。

これは、見た目では歯が折れているようには見えないのですが、骨の中にある歯の根っこの部分が折れているという状態です。歯が根まで折れていたら、歯科医院に行くまでの間、自分で折れた歯を口の中の元の位置に戻して保存することがベストです。それが困難な場合は、牛乳に浸して乾燥しないようにします。歯の根のまわりにある歯根膜という繊維組織があるのですが、乾燥に弱いので気をつけましょう。

早期であれば、歯根膜を再生させることも可能ですので、大切に扱ってください。

さらに、歯の上から根にかけて折れている状態を「歯冠―歯根破折」といいます。大きく折れている状態のため、出血が少ない場合は、折れた部分をそのまま元の歯の接着することができます。

できるだけ早く歯科医院を受診しましょう

折れ方によって治療法も異なりますが、状態によっては、歯科医院専用の接着剤やコンポジット・レジンで補足して、元のように修復することも可能です。そのために、折れた後すぐに行う対処法が間違っていないことが大切です。

歯が折れたら、まずは、かかりつけの歯科医院に連絡しましょう。予約がいっぱいでも、歯が折れたといった緊急の場合は、応急処置をしてくれます。休日の場合は、お住まいの地域の夜間・休日緊急歯科診療所に連絡します。

受診まで時間をおかないことが大切です。また、不潔な状態のまま放置しておくと、歯が折れた時にできた傷から菌が入り、炎症や痛みが起きる場合があります。できるだけ早く歯科医院に行きましょう。ただし、転倒した時に頭を打ってしまったという場合は、脳に損傷を受けている危険がありますので、脳神経外科の受診を優先させてください。

まとめ

歯が折れたら、まずは落ち着いて欠片を拾い集めてください。歯のかけらは乾燥させないように保存し、素早く歯科医院へ受診しに行きましょう。正しい対処法を行えば、場合によっては元通りに戻すことも可能です。