丸山歯科医院ブログ
丸山歯科医院は初診時に丁寧にお話を伺い、検査・診断した上で治療を開始致します。
頭痛、肩こり、めまい…全身に現れる顎関節症の症状
特に体調が悪いわけでも、パソコン作業などで目を酷使しているわけでもないのに、頭痛や肩こり、めまいがすることが多い、ということはありませんか。
もしかしたらそれは、疲れなどではなく、「顎関節症」を発症しているかもしれません。
今回は、そんな症状をお持ちの方、またどうして顎の障害が頭痛に?と疑問をお持ちの方に「顎関節症」について、解説していきたいと思います。
多岐にわたる症状…顎関節症とはどういう病気?
さまざまな症状が現れる顎関節症。一体どういった症状がある場合に、顎関節症と考えられるのかを見ていきたいと思います。
1.顎まわりの変化
- ・顎が痛い(筋肉が痛い、関節が痛い)
- ・口を開ける時に、顎の関節がガクッという音がする
- ・口が開かない
- ・ものを噛む時に痛みが伴う
- ・硬いものが噛めない
- ・噛み合わせがずれている気がする
2.顎まわり以外の変化
- ・肩こり、首のこりがひどい
- ・頭痛がする、頭が重い、偏頭痛がある
- ・しびれがある
- ・ものを飲み込みにくいなど、喉に違和感がある
- ・眠れない、睡眠障害になっている
これらの症状がいくつか当てはまる場合は要注意。特に、仕事のない週末など、リラックスしている時に現れる場合は、より慎重に様子を見ておいた方が良いでしょう。
なぜなら、こういった場合、平日の仕事中は常に緊張状態でいる方が多いために症状が出ず、顎関節症の可能性に気づきにくいのです。
多岐にわたる症状…原因は、何?
顎関節症の原因もひとつではなく、いくつか考えられます。
まずひとつ目は、顎に悪いクセがある場合です。ものを食べる時、片方の顎だけで噛んでいたり、頬杖をついたりすることが多いのではないでしょうか。
何かに集中している時に、気がついたら歯を食いしばっている、寝ている時に歯ぎしりをしているといったことに心当たりはありませんか。
姿勢が悪い場合も同じです。こういった場合は、顎の位置がずれてしまっていたり、顎の筋肉(咀嚼筋)が常に緊張しているため、顎に多大な負担がかかっていたりします。
そしてもうひとつの原因として挙げられるのが、顎をぶつけたり、ケガをしたりといった外的ストレス。
顎は、構造的にブランコのようにぶら下がっている状態なので、外的ストレスには非常に弱い箇所です。そのため、ぶつけるなどして顎の位置がずれてしまったり、筋肉を痛めてしまったりすることもあります。
さらに、精神的ストレスから現れる歯ぎしりや顎のまわりの筋肉の緊張などがあります。
睡眠時の歯ぎしりや食いしばりは、特にその影響が考えられます。
仕事や人付き合いなどさまざまな要因で、不安や恐怖、緊張などのストレスを抱えてしまうと、その慢性的な疲労から、自律神経の乱れや情緒不安定の状態になり、食いしばりなどでストレスを発散しようとしているのです。
顎関節症って治るの?どうすれば良いの?
食事の時や大きな口を開ける時に顎がガクッとなる、また、硬いものが食べにくいという状態は、イヤですよね。実は、顎関節症は緩和できますし、治る場合もあります。
まず原因がわかっている場合は、その原因を解決していくことが大切ですね。例えば、片方で噛む、頬杖をつくといったクセであれば、両方で噛んだり頬杖をつかないようしたり、正しい姿勢で生活をすることで、かなり症状は和らぎます。
噛み合わせがずれている場合などは、歯科医院や整形外科などで、噛み合わせを正常な位置に戻す治療をするのが良いでしょう。スプリントというマウスピースを使うと、食いしばりも軽減できます。
精神的ストレスがある場合は、すぐにその要因を解決することはできないかもしれませんが、リラクゼーションや全身運動をするなどして、体自体をリラックスさせることも重要になります。
その他、歯を接触させないように心がけることも大切です。例えば、TMDマントラ(顎関節症呪文)といって、「唇を閉じ、上下の歯を離し、顔の筋肉の力を抜く」ことを心がける、自分に言い聞かせるだけのセルフケア。さまざまな機関や本で紹介されていますし、とても簡単なので一度試してみてください。
まとめ
顎関節症は、人によっては、放置していたら自然と治った、という場合もあります。けれども、原因がしっかりわかっている場合は、根本的な治療も可能。一度、ご自身の姿勢を確認してみてもいいですね。
投稿日:2016年10月14日 カテゴリー:口腔外科